アレルゲンの検査
アレルギー性鼻炎の治療はアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)を生活環境から排除することが基本中の基本、大前提です。
アレルゲンの回避があった上で、お薬の服用や免疫療法、レーザーなどの手術治療を行うことが重要です。
アレルゲンを回避するためには、アレルゲンを確認することが必要になります。
同じ人でも、あるものに対してはアレルギー症状が出るのに別のものには出ない、ということがあります。それはアレルギーという病気の特徴と言えると思います。つまり、花粉症になる人とならない人、蕎麦を食べるとじんま疹が出るが魚や牛乳は平気、というように、特定のものにだけアレルギー症状が出る場合があります。その理由は、特定の抗原に対抗する抗体は決まっているからです。麻疹に対してできた免疫は、水疱瘡には効かないのと同じです。アレルギーを起こしやすい体質と言っても良いと思います。
当院では血液検査を行ってアレルゲン(原因物質)が何かを確認することを推奨しています。
アレルゲンコンポーネント
さらにアレルゲンには多数のタンパク質が含まれています。特異的IgEが反応するのはこれら個々のタンパク質に対してで、厳密にはこれらタンパク質こそが、アレルゲンといえます。これらのタンパク質のことをアレルゲンコンポーネントと言います。
加熱卵白や小麦アレルギーの診断において、高い臨床的特異度を実現する、オボムコイドやω-5 グリアジンはコンポーネントの一つです。現在、卵白、牛乳、小麦、ピーナッツに対するアレルゲンコンポーネント検査が保険適用されており、通常のアレルゲンとアレルゲンコンポーネント特異IgEを組み合わせることで、より正確なアレルギー診断できます。
因食品 | 特異IgE | アレルゲンコンポーネント特異IgE |
卵 | 卵白
卵黄 |
オボムコイド |
牛乳 | ミルク | カゼイン
α-ラクトアルブミン β-ラクトグロブリン |
小麦 | 小麦
グルテン |
ω-5グリアジン |
ピーナッツ | ピーナッツ | Ara h2 |