お耳のお掃除につてご説明します。
来院されるお子様の中には耳垢(佐賀では「耳ご」、「耳んご」などと言います)がたくさん溜まっているお子様がおられます。その中には熱心にお掃除していらっしゃる方もいらっしゃいます。お子様の耳の穴は狭いので、掃除を失敗すると奥へ奥へと押し込んでしまい、聞こえに影響してしまう事もあります。
お子様の耳掃除は病院で実施する方が安全ですが、ご自宅でお掃除する場合の注意点などをご説明いたします。

お耳の穴の壁は薄い皮膚で覆われています。奥の方は皮膚の直下に骨があり(外耳道骨部)触ると痛みます。外側の部分は少し皮下組織がありその下に軟骨があります。(外耳道軟骨部)触ってもそれほど痛くはありません。

外耳道の皮膚は新陳代謝で常に新しい皮膚に更新されています。外耳道骨部の皮膚は外耳道の外に向かって少しずつ移動しています。外耳道軟骨部には耳垢腺という分泌腺がありこの部分で皮膚と分泌物が一緒になって耳垢になります。耳垢は外に移動してきます。

前に書きました様に、耳垢は外に向かって自然に移動してきます。お耳の中をのぞいて奥の方に耳垢が見えても無理に取り除かず、取りやすい場所に出てくるのを待った方が安全です。

子どもさんの耳掃除

特に小さなお子さんや、お耳を触ることを嫌がってじっと出来ないお子さんのお掃除は大変危険です。お掃除をしているつもりでも実は大半を奥に押し込んでいるケースもよく見かけます。

目で直接見ながらお掃除できる耳垢だけを取ってあげましょう。綿棒や耳かきをかざすと耳垢が見えなくなる状況では扱わない方が良いと思います。

耳掃除の道具

一般的には綿棒や耳かきを使用します。

お子さんのお掃除を家族がしてあげる場合、どちらを使用するにしても「不意に動く可能性」を考えておくことです。道具より気構えと道具の持ちかただと思います。器具の先が耳の奥に入ってしまわないよう万一動いたら、「道具を持った手を引く」ことをいつもイメージして下さい。また「道具を強く握らない」ことも外傷を避けるこつと思います。万一奥に入ってしまっても軽い怪我で済ませることができます。またおさない子どもさんのお掃除の場合は誰かが介助して頭をおさえておいて行うことも良いと思います。

道具の選択は、乾いた耳垢でじっとできる場合は「耳かき」。柔らかい耳垢や、じっと出来ない時には「綿棒」良いでしょう。いずれにしてもうまく行かなかった時には強行せず病院で取る様にしましょう。

乳幼児さんはお鼻を上手くかめないが場合が多くあります。中耳炎の予防のためにもお鼻を吸ってあげる事も大切です。
お花の吸い方、使用する道具、使用するタイミングなどについて、当院でお薦めしている方法をご紹介します。

お子さんの鼻水を吸引してあげることはとても大切なことです。まだお鼻がかめないお子さんが、フガフガお鼻を鳴らして苦しそうにしていることはありませんか? そんな時はぜひお鼻を吸ってあげて下さい。

以前は親が直接お口で吸ってあげていたようですが、鼻水の中にも感染しやすいウイルスや細菌が含まれている場合がありますのでお勧めできません。鼻吸い器を利用されると良いと思います。
市販されている鼻吸い器にもいろいろあり選択に悩みます。ネットで調べて、コメントを見て選ばれるお母さんも多いと思います。

 当クリニックでは、ホースで吸い上げるタイプをお勧めしています。左 の図のタイプです。ホースタイプをお勧めする理由としては。

 1.吸いやすい  
 2.力の加減がしやすい  
 3.お子様の動きに合わせやすい
   などがあります。

電動式のものもありますが、入浴中の利用を考えると電動でないものをお勧めしています。

スポイトタイプはお勧めしません。 

ホースタイプをお勧めする理由としては。

 1.吸いやすい  2.力の加減がしやすい  3.お子様の動きに合わせやすい 

などがあります。吸った鼻水がお口に入ってしまわないように途中で鼻水受けの容器が付いたものものや、電動式のものもあります。当院では電動でないものをお勧めしています。

1.一気に吸わずに小刻みに吸う

チュッチュッチュと吸ってください。お母さんも細かく呼吸してください。一息で吸おうとするとお母さんの方が苦しくなってしまいます。うまくいくとホースの中に鼻汁がズッズッズッと上がってきます。

2.お鼻を吸いやすいタイミングがある

泣いた後:泣いた時には涙がお鼻の中に流れ込みます、半分固まりかけた鼻汁も柔らかくなり、吸いやすくなります。

お風呂の時:湿度が高いと吸いやすくなります。電動のものは危険ですので、お風呂には持ち込まないでください。

3.詰まっている方から吸ってあげてください

詰まっている方の見分け方は、カレーのスプーンをお子さんのお鼻の下にかざして見てください。鼻息の水蒸気が出たり消えたりするのが分かります。水蒸気の出方が少ない方が詰まっているお鼻です。

お子さまが風邪をひいてお鼻をたらしてい洋風の袖でお鼻を拭いている事があります。ティッシュやハンカチを持っていないからと言う事もありますが、お鼻を上手くかめない場合も多くあります。「フンしなさい」と声掛けしてもやってくれません。
お鼻をかむことを覚えてもらえるよう楽しく指導いたします。

お鼻がかめるという事のメリットとして鼻疾患の改善、急性中耳炎、滲出性中耳炎の予防があります。

一般的には保護者の方の指導で徐々に覚えて行かれるのですが、なかなかかめないケースもあります。
元々おはなのかみ方の練習方法は一定の物はありませんが、私の経験上うまく言った方法を指導して行きたいと思います。
はなかみの大切さ、どのようなはなかみが正しいはなかみか。どのように覚えて行くのかを指導いたします。

当院の「はなかみ教室は」受診の必要はありません。指導を受けることだけを目的としてお越しください。費用も必要ありません。お子さんと保護者の方がご一緒においでいただければ結構です。来院前にお電話ください。10分程度で終わります。

ちいさなお子様でも怖がらないように楽しくご指導させていただきます。