花粉症について
【花粉症とは】
花粉症とは植物の花粉がアレルゲン(アレルギーの原因物質)になって引き起こされるアレルギー症状(I型アレルギー)のことで、アレルギー性鼻炎症状、アレルギー性結膜炎症状、咳嗽、皮膚掻痒感など多彩な症状を引き起こす症候群です。年々増加傾向にあり日本の全人口の4分の1に達するとの報告もあります。あらゆる年齢である年突然発症します。一般的には生涯症状を繰り返しますが、高齢になるにつれ、免疫能力の低下とともに軽減する傾向にあります。
植物の種類だけ花粉症が存在することになりますが、その花粉の抗原性(粘膜などへの刺激性など)、花粉の重量、授粉の仕方(風媒花や虫媒花の違い)、雄花雌花に別れているか(雌雄異株、雌雄異花など)などの植物の特性によって花粉症の原因になりやすい植物となりにくい植物があります。
植物の種類によって花期が違いますから、当然花粉を飛ばす時期が異なります。そのため花粉症の原因植物の特性によって花粉症シーズンが決まってきます。
下にお示しした表は、よく見かける花粉症カレンダーの抜粋です。春、秋に花を咲かせ実をつける植物が多いようです。
花粉を観測していると、予想外の季節に季節外れの花粉を見かけることがあります。よく知られているのが秋のスギ花粉です。秋には秋雨前線や台風の影響で結構降雨量が多く、そうかと思うと雨後の高温などがあり、そのためスギ花粉の狂い咲きが起こるのが原因です。
【花粉症全般における共通した治療】
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の治療の基本は「アレルゲン(原因物質)の回避」です。アレルゲンは小さなお子さんでも、血液検査で確認できます。
アレルゲンを確認することができたら、吸い込まないようセルフケアが必要になります。
具体的には下記のようになります。
- 花粉の飛散が多い日、時間帯の外出を避ける。
- 外出の際はメガネ、マスク、帽子などを着用し、口、鼻腔、眼への花粉の侵入を防止する。
- 外出時、また室内でも花粉の付着しやすい衣服(フリース、ウール素材など)は着用しない。
- 外出時は滑りの良い素材の上着を羽織って、帰宅時には屋外でよくはたいてから入室する。
- 外出から戻ったら、屋内に入る前に上着をはたいて花粉を落とす。
- うがい、手洗い(できれば洗顔も)を励行する。
- 花粉の飛散が多いとき、風のある時は窓や戸を閉め、花粉が室内に入らないようにする。
- 空気清浄機、加湿器、掃除機などで室内の花粉を除去する。
- 十分な睡眠をとり、ストレスを避け、体調の維持・管理に努める。
【個別の花粉症について】
以下の花粉症カレンダーに沿って
を解説します。