佐賀県佐賀市のいちはら耳鼻咽喉科クリニックです。 新生児からご高齢の方まで、全ての年齢の患者様を対象にしています。1.的確な診断と治療 2.十分な説明 3.受診しやすい環境 4.子どもを怖がらせない を理念として診療にあたっています。アレルギー性鼻炎のレーザー治療、睡眠時無呼吸症候群の治療にも力を入れています。

スギ・ヒノキ花粉症について

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スギ・ヒノキ花粉症について

【スギ花粉症】

スギ花粉症はその数が年々増加し国民病とさえ言われています。春には多くのマスコミで取り上げられますので、花粉症をお持ちの方は、症状や対策、治療方法等かなりの情報量を持っておられると思います。一般的な情報は、各サイト等をご参照ください。ここでは、あまり紹介されない杉の木に関する情報をお伝えし、ヒノキ花粉症の特徴、後半に治療法をお伝えします。

上のグラフは当院が2014年に嘉瀬町に移転してから2018年までクリニック屋上で観測した、すぎヒノキの花粉飛散量をグラフにしたものです。わかりづらいのですが3月初旬と3月下旬の二峰性(二つのピークがある)のグラフになっています。前のピークがスギ花粉、後のピークがヒノキ花粉によるものです(あくまで嘉瀬地区のローカル情報ですが)。

【杉の木、檜について】

スギの木は雄株と雌株に分かれており、春になると雄株の花が開花して授粉のために花粉を飛ばします。杉の木は山に人口的に植林されている場合が多く、比較的高地に存在します、また花粉重量が小さいこともあって、風に乗れば市街地まで十分花粉を飛ばします。さらにアスファルトやコンクリートに落下した花粉は、風によって再度飛散しますので、市街地から次の市街地に花粉が飛んでゆきます。それが目鼻に入って、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、眼のかゆみの症状が出ます。咳症状が目立つパターンもあります。

日本の森林率は70%と言われており、その中で杉の植林面積は国土の20%とも言われています。県によって植林面積が違いますのでそれぞれの地域の花粉飛散量に影響が出ると思いますが、植林面積が狭いにも関わらず、大量飛散する地域もあります。飛散予測を重視する必要があります。下記の図は林野庁発表の植林面積です。ヒノキも建材として人気があり、スギに次いで多く植林されています。ヒノキ花粉の飛散期は、スギより送れて佐賀では3月から4月。年によってはゴールデンウィークくらいまで花粉を飛ばします。
花粉飛散のピークは4月にみられます。
スギ花粉症患者さんの中にはヒノキ花粉飛散期にも花粉症症状を発現する人もいます。

九州の中では佐賀の植林面積は少ない方です。宮崎が九州トップですが、その中でも広島カープが春季キャンプを行う日南市は林業が盛んで、製紙工場もあります。日南市の県立病院で数年間仕事をしていましたが、やはりスギ花粉症の方が多くおられました。

実は植林した山の中には、伐採に適したタイミングを過ぎた木々が放置されたままになっていることも多いそうです。

今後もこの状態が続けば、花粉飛散量は増加の一方になります。

【杉の木の品種改良による花粉症対策】

それでは頑張ってどんどん伐採すればよいのでしょうか。単に伐り倒せばすむ問題ではないようです。森林には、水源涵養作用(かんようさよう)という働きがあり、大雨の際の雑炊を抑えたり、日照りの時にも川の流れを途絶えないようにする作用、また、水質浄化作用もあるそうです。最近の大雨で傾斜地の植林地で違法な伐採を行なった結果大規模な地滑りが発生した事例がありました。 無謀な伐採は災害を助長する結果に繋がります。それに、伐採した木々が材木として販売できなければ、その費用回収ができないという問題もあり、簡単ではないようです。安い外材に押されて国産の材木が売れなくなっているようです。

最近は雄花の花粉が少ない品種が開発されており、このような品種との植え替えが理想だと思います。

上が通常の雄花、下が花粉の少ない雄花だそうです。(林野庁ホームページより)

国策として植え替えを計画しているようですがあまり進んでいない様です。

【ヒノキ花粉症の特徴】

スギ花粉症にヒノキ花粉症が合併することが多く、その原因としてはそれぞれの花粉にアレルゲン(アレルギーの原因物質)としての共通性があるtからと言われています。症状としてはスギ花粉症と同様に、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、眼のかゆみが主症状ですが、ヒノキ花粉症は時に強い咽喉頭症状を起こす方がいらっしゃるとの論文が国内で出ています。また、ヒノキでは少ない飛散量でも強い症状が出るケースもあると言われていますので注意が必要です。症状としては「咳」、「のどの違和感」、「単」、「声がれ」、「のどのかゆみ」、「のどの痛み」、「のどの乾燥感」などが多い様です。

【スギ・ヒノキ花粉症治療】

植え替えが進まない現状としては、医療で対応するべき状況と思います。

  • 初期治療:花粉飛散開始前から服薬を開始する方法。佐賀では1月末くらいから開始したらいいと思います。ヒノキ花粉症単独では2月末位からの服薬開始が良いと思います。
  • レーザー治療:花粉飛散開始前に済ませておかれることをお勧めします。ヒノキ花粉症にも有効です。
  • 舌下免疫療法:花粉飛散中に開始できません、時期をずらして開始しましょう。お薬やレーザーとの組み合わせも可能です。スギ花粉に対して有効であり、ヒノキに対する治療ではありません。
  • 予防策:外出時のマスクや衣類の工夫。屋内に花粉を持ち込まない工夫が重要です。

 

 

TEL 0952-24-8010 佐賀県佐賀市の嘉瀬町大字扇町2469ー26

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