メニエル病
この病気は回転性のめまい、耳鳴り、難聴を繰り返す病気で、その病因は、内耳の内リンパ水腫と言われています。
内耳についてご説明します。詳しくはこちらをご覧下さい。
【内耳とは】
蝸牛の中は3部屋に分かれていてその中の「蝸牛管(中央階)」という部屋に音を感じる「コルチ器」という仕組みが組み込まれています。
【内リンパ液】
蝸牛管の中には「内リンパ液」が満たされています。「前提階」と「個室階」には「外リンパ液」が満たされています。
内耳の中で「内リンパ液」で満たされている部分を模式的に描写すると下図左左のようになります。この内リンパ液が内耳の中で過剰に溜まった病態は「内リンパ水腫」と呼ばれており「メニエル病」の正体と言われています(下図右)。
「内リンパ水腫」にる水圧上昇で、三半規管、前庭、蝸牛の機能が障害を受け、その結果「めまい(平衡障害)」、「難聴(低音障害)」、「耳鳴り」が起こります。
【めまい】
三半規管の中には「クプラ」という姿勢を感じ取るセンサーが組み込まれていますすが、クプラは目玉を動かす筋肉(外眼筋)
と連携していて、クプラに異常が発生すると外眼筋が異常運動して目玉が勝手に動いて(眼振)目が回るという結果になります。前庭眼反射の障害です。
【難聴、耳鳴り】
上にある内リンパ液の図の蝸牛の「蝸牛」の部分を見るとグルグル2回転半(ダブルアクセル?)渦巻いた形をしています。渦巻きのふもとの方が太く、頂上にゆくにつれて細くなっています。
先にお話ししました様に蝸牛は音を感じる部分ですが、場所によって感じる音の周波数(低音、高音)が違います。ふもとでは高い音。頂上では低い音を感じるよう役割分担があります。メニエルによる内リンパ水腫で水圧が「蝸牛管(中央階)」を傷害を受けますが、特に細くなっている頂上が傷害を受けます。その結果メニエル病では「低温障害型の聴力障害」発生することが多くみられます。
【メニエル病の治療】
メニエル病の治療の中心は「内リンパ水腫の治療」です。
過剰に溜まったリンパ液を減らすために「イソソルビドシロップ」を使用します。「メニレットゼリー」という同じ薬効の製品もあります。
飲みにくいお薬ですがしっかり服用して下さい。
ビタミン剤などを併用する場合もあります。
【メニエル病の診断基準】
2017年に新しい診断基準が発表になっています。