黄砂とPM2.5(アレルギーとの関係)
【黄砂】
日本に飛来する黄砂の粒子の大きさは0.5-5μmくらいで、岩石が風化して細かい粒になったものです。
黄砂は飛来するまでに大気中で様々な物質を吸着します。交通機関の排気ガスや、工業地域の大気汚染物質などを吸着します。この他、黄砂を培養液に入れると微生物が発生するそうですが、呼吸器系に病原性を持つウイルスやクラミジア、マイコプラズマ等は検出されておらず、またグラム陰性菌(大腸菌等)も殆ど検出されていないそうです。真菌(カビ)類やグラム陽性菌も検出される事があるそうです。
福井大学のグループは黄砂がスギ花粉症の悪化をさせることを報告しています。また、鳥取大学のグループは同様に、スギ花粉症や気管支喘息の悪化を報告しています。黄砂そのものがアレルギー性鼻炎の原因物質(アレルゲン)とは言えないと思いますが、悪化させる物質ではあるようです。
【PM2.5】
PM2.5の主な発生源はディーゼル自動車の排気ガス,石炭や石油を燃焼する工場、家庭の石炭暖房からの排煙などです。成分に関係なく細かいからこそ肺から体内に取り込まれ健康に悪いとされています。
花粉の大きさの粒子は、鼻や喉の粘膜にとどまりますが、PM2.5のサイズになると気管から、気管支、細気管支、さらに肺胞に容易に達して、沈着すると考えられています。タバコの煙と同レベルの発ガン性があるとも言われています。アレルギー性鼻炎、気管支喘息をお持ちの方はもとより、健康な方もPM2.5の情報をしっかり確認し、外出時にはマスクを着用しましょう。