アレルギー性鼻炎の治療の一つに、舌下免疫療法(Sublingual immunotherapy: SLIT)があります。
スギ花粉症に対するSLITが2014年から開始され、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に対するSLITは2015年から開始されました。
舌下免疫療法の適応
①スギ花粉またはダニが原因となるアレルギー性鼻炎の患者様。
以前はあった年齢制限は撤廃され、きちんと服用できる、お子さんは、安全に治療が受けられることが確認されています。
②一般的な薬物療法でアレルギー性鼻炎の症状や症状による日常生活絵の影響を十分にコントロールできない患者様
治療の目標
アレルギー性鼻炎の臨床的寛解。臨床的寛解とは、炎症によって引き起こされる疾患の症状・徴候が全くないことです。 治療目標は寛解とすべきです。SLIは。からだをアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
治療機関
毎日服用し、からだをアレルゲン(スギ花粉やダニ)に慣らしてゆく治療です。3年以上継続することが推奨されています。
効果が現れるまでの期間
スギ花粉症の場合は初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療を始めて数ヶ月後から効果発現が期待できます。
副作用
アレルゲンを投与することから、服用後にアレルギー反応がおこるおそれがあり、まれに強いアレルギー症状が発現するおそれがあります。
治療の対象になるかた
- スギ花粉症、あるいはダニアレルギーであることが確認されている方
- 長期治療を受けられる方
- 服用を毎日継続できる方
- 1ヶ月に1回受診することができる方
- 全ての患者さんに効果を示すわけではないことがご理解いただける方
- 効果があって終了した場合でも、その後効果が柔くなる可能性がある事をご理解いただける方
- アナフィラキシーなどの副作用が起こる恐れがあることを理解でき、副作用が起きたときの対応が理解できる方
治療を受けられない方
- 重篤な免疫疾患及び免疫不全
- 重篤な精神障害
- 局所治療を含むβ遮断薬による治療
- 治療のコンプライアンスが悪い
- 薬物療法によっても治療困難な重症喘息や 不可逆性の気道閉塞(FEV1 が 70% 以下)
- エピネフリンによる副作用の危険性が高い心血管疾患
- 5歳未満の小児
- 妊娠期間中の免疫療法の開始は行わない また、中断後の再開も行わない
- *スギ舌下免疫療法は、スギ花粉飛散中には開始できません
治療が受けられる医療機関
スギ花粉:治療可能な医療機関
ダニアレルギー:治療可能な医療機関
舌下免疫療法 実際のスケジュール
現在、スギ花粉症に対するSLIT製品としては、シダキュア®スギ花粉舌下錠があり、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に対するSLIT製品としては、ミティキュア®ダニ舌下錠とアシテア®ダニ舌下錠があります。
詳しくは当院までお尋ねください0952-24-8010