突発性難聴
【おもな症状】
- 突然の難聴
「朝、目が覚めて気づいた」、「作業中に突然」など、自分がその時何をしていたかが明言できるくらい突然に症状が出現します。ほとんどが片耳のみ(両側性は10%以下)です。
- 高度な感音難聴
必ずしも“高度”である必要はありませんが、実際は高度でないと突然難聴になったことに気づかれないことも多くあります。
- 原因が不明、または不確実
つまり原因不明の病気です。循環障害、ウイルス感染等が推測され、研究されていますが未だに不明です。
【その他の症状】
1)耳鳴り
難聴の発症に前後して耳鳴りがすることがあります。
難聴に気づかず、耳鳴りのみを感じる場合もあります。
2)めまい、吐き気、嘔吐
難聴の発生と前後してめまいや吐き気、嘔吐を伴うことがあります。めまい発作は繰り返しません。
*お耳の症状以外に顕著な運動麻痺などの神経症状を伴うことはありません。
【治療】
残念ながら確立された治療方法は未だありません。現時点でまず実施すべき治療としてはステロイド剤(副腎皮質ホルモン)による治療を行います。その他、血流改善剤、代謝改善剤等も使用されます。
早期(2週間以内)に治療を開始すると予後は良くなる言われています。自然に回復するケースもありますが、経過を見ている間に回復のチャンスを逃してしまう可能性がありますので、何らかの手立てが必要です。重症の場合は安静のため入院し点滴を行うのがベストですが、通院しながらの治療も可能です。通院治療の場合も、疲労が蓄積すると治りが遅くなってしまうので、できるだけゆっくり休みましょう。その他、ステロイドが使用できないケースや無効なケースでは高圧酸素療法、中耳に直接お薬を入れる治療を行う場合もあります。
【経過】
- 再発はしないとされており、繰り返す場合はメニエル病等、他の病気を疑います。
- 発症後2カ月程度で、難聴は固定(変化しなくなる)すると言われています。
- 約30%が治癒、約50%が何らかの改善を示し、約20%では難聴の改善を認めないとされています。
- 予後不良因子としては、以下があります。
1 発症後2週間以上の経過
2 発症時平均聴力レベル90dB以上の高度難聴
3 回転性めまいの合併
4 高齢者