佐賀県佐賀市のいちはら耳鼻咽喉科クリニックです。 新生児からご高齢の方まで、全ての年齢の患者様を対象にしています。1.的確な診断と治療 2.十分な説明 3.受診しやすい環境 4.子どもを怖がらせない を理念として診療にあたっています。アレルギー性鼻炎のレーザー治療、睡眠時無呼吸症候群の治療にも力を入れています。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎

どんな病気?

アレルギー性鼻炎の発症(おこりかた)について簡単にご説明致します。

アレルギーとは外部からはいって来た特定の物質 抗原(こうげん)を排除しようとする働きである免疫反応(めんえきはんのう)が過剰に現れることを言います。
一般的には、初めて体内に入って来た抗原に対してはアレルギーは起りません。初めて抗原が体内に入り込んだ後、マクロファージなどに取り込まれます。そしてマクロファージの中で分解された抗原物質から抗原の特徴を認識します。この情報をリンパ球に伝えます。こうして抗原に対する特別の免疫の働きをする抗体(こうたい)が出来ます。この抗体をE型免疫グロブリン(IgE)といいます。


鼻粘膜でのアレルギー反応(抗原抗体反応)

感作状態にある人の身体に再度抗原物質が侵入した時(花粉を吸い込んだりしたとき等)、鼻の粘膜の表面で抗原の侵入を監視していた免疫細胞(好塩基球や肥満細胞など)に見つかってしまいます。ここで人の身体は先ほどお話しした抗体(E型免疫グロブリン)を利用して抗原物質を排除しようとします。この反応を 抗原抗体反応と言います。

化学伝達物質の放出

抗原抗体反応の結果、免疫細胞(好塩基球や肥満細胞)は鼻粘膜の鼻汁を作る分泌腺や鼻粘膜の毛細血管等を刺激する化学伝達物質(ケミカルメディエーター)を細胞外に出します。
代表的なケミカルメディエーターの一つにヒスタミンがあります。

これらのケミカルメディエーターの刺激に反応した様々な組織がアレルギー性鼻炎の症状を引き起こします。

・鼻粘膜の神経を刺激する→くしゃみ
・鼻腺(鼻汁の分泌腺)を刺激する→はなみず
・鼻粘膜の毛細血管を刺激する→鼻づまり(鼻粘膜にある毛細血管が太くなって鼻粘膜を腫らします)

*ケミカルメディエーターの一つに好酸球遊走因子(こうさんきゅうゆうそういんし)という物があり、これが毛細血管を刺激すると、血管の壁の細胞の結合が緩くなり、隙間から好酸球という白血球が血管外に現れ鼻水の中で観察される様になります。これを利用したのが鼻汁中好酸球検査です。

症状は?

くしゃみ、水ばな、鼻づまり、鼻汁がのどに流れる、匂いがわかりづらい。頭が痛い、頭が重い等です。鼻水は多量の時はいわゆる水ばなですが、さほど量が多く無く鼻の中に長く溜っていたものが出てくる時は粘り気のある鼻汁、色のついた鼻汁(佐賀では「じごばな」といいます)が出ることもあります。
アレルギー性鼻炎の症状は朝に強かったり、朝の症状だけがしつこく残る場合があります。モーニングアタックと呼んだりします。原因は諸説ありますが、朝の気温の変化、自律神経の問題などが言われています。

診断方法は?

症状、家族歴(血縁者に何らかのアレルギーの病気の方がおられるかどうか)鼻汁中好酸球検査、血液の中のIgEの総量(健康保険で3割負担の方で114円)、それぞれの抗原に対するIgEの量の測定(健康保険で3割負担の方で1項目330円)等を行います。小さなお子さんでお鼻をかめない場合は、こちらで採取して調べます。 3歳くらいからは このような検査を行いますが、それより小さなお子さんの場合は、血液検査は行わず、ご家族に経過をよく見て頂きどのような時期、どのような状況で症状が出やすいかを確かめた上で、怪しい項目を調べます。

鼻汁中好酸球検査

(アレルギー性鼻炎の可能性が高いかどうかを調べる)
アレルギー性鼻炎とはな風邪とは見た目だけでは区別がつかないことも多く、また炎症の程度も判断できるので鼻汁の出ている患者さんにはなるべく鼻汁中好酸球検査(健康保険で3割負担の方で45円)をさせて頂き、診断の精度を上げる様にしております。鼻汁中好酸球検査はおもに診察前に実施し診察の時には結果をご説明できる様にしております。

IgEの測定アレルギー性鼻炎の原因を調べる

花粉症等の様にそれぞれの植物の開花時期に一致するようなアレルギーを季節性のアレルギー性鼻炎。不定期、一年中症状が出る様な場合を通年性アレルギーと呼びます。
季節性の方には、症状の出やすい時期の花粉を調べます。通年性の人にはほこり、ダニ、カビ、昆虫等を調べます。動物を飼育している方や動物との接触で症状が出たことがあった方には動物に対するIgE量を調べます。検査は幼いお子様でも可能です。

治療方法は?

アレルギー性鼻炎の治療としては

1.抗原の除去、回避
2.薬物療法
3.特異的免疫療法(抗原特異的減感作療法)
4.手術

などがあります。

1.抗原の除去、回避

アレルギーの原因(抗原)が特定できた場合は、それらを生活環境から排除、減量することによって症状が緩和、消失することが期待できます。
当院ではその手段を丁寧にご説明させて頂いております。

2.薬物療法

アレルギー治療薬(各種の化学伝達物質をブロックする薬等)にも様々な種類があります。患者さんの症状、経過、ライフスタイルなどに合わせて治療薬を選択しております。
鼻の吸入の治療(ネブライザーと言います)と飲み薬の治療を組み合わせることで、効果が高くなります。
デポステロイドの注射をする施設もある様ですが、副作用(満月様顔貌、皮膚・皮膚付属器障害、月経障害、萎縮などの注射部位障害、副腎皮質機能障害など)が起る場合があるため、「鼻アレルギー診療ガイドライン」では望ましく無い治療方法とされており、当院では実施しておりません。

3.舌下免疫療法(抗原特異的減感作療法)

この治療方法は唯一長期寛解が期待できる方法とされていますが、アナフィラキシーショックのリスクがあり、当院では経口薬による舌下免疫療法を実施していす。

4.レーザー手術

様々な手術治療方法が開発されておりますが、当院では炭酸ガスレーザーを使用した手術を行っております。入院の必要がなく、効果、安全性が高い治療方法です。

一般的には治療はお鼻の吸入の治療(ネブライザーと言います)と飲み薬の治療(各種の化学伝達物質をブロックする薬等)を組み合わせて行います。
*症状の強い方、通常の治療で症状が改善しない人、妊娠や何らかの理由で服薬治療を避けたい方等には炭酸ガスレーザーによる治療もお勧めします。詳しくはこちらをご覧下さい。

TEL 0952-24-8010 佐賀県佐賀市の嘉瀬町大字扇町2469ー26

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