低年齢化するアレルギー疾患
アレルギー性鼻炎を含むアレルギー疾患を持つ患者さんの総数は年々増加していますし、発症の低年齢化の傾向を示しています。以下のグラフをご参照ください。
アレルギー疾患の治療の原則
アレルギーの治療の原則は、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)原因物質が何であるかを特定し、それらを体内に取り込まない様にすることです。アレルゲンはひとりひとり異なります。また、発症の低年齢化が進行していることを考えると、成人ばかりではなく、小児期、特に離乳食を開始する時期、給食を開始する時期におけるアレルゲン検査は重要であると考えています。
食物アレルギーとアレルギー性鼻炎、気管支喘息
小児での食物アレルギーは増加の一途をたどっています。乳児期から食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を発症し、のちに鼻炎、気管支喘息を発症するアレルギーマーチの概念があり、食物アレルギーの小児は将来アレルギー性鼻炎を発症するリスクが高いと考えられます。
ある研究によると、食物アレルギーをもつ小児における吸入系アレルゲンを調べたところ、0歳からダニアレルゲン陽性率の上昇がみられ4歳で90%に達したそうです。またスギ花粉などの季節性抗原は2歳から急激に感作率が上昇し、スギ花粉は5歳で80%に達したそうです。
これらのことから小児期における「吸入系アレルゲン」と「食物系アレルゲン」を検査することが極めて重要です。
当院で実施しているアレルゲン検査
アレルギ治療の大前提は、何がアレルゲンなのかを知ることです。当院におきまして、「吸入系アレルゲン」と「食物系アレルゲン」を同時に多項目、しかもごく少量の指先からの採血で検査できるシステムを導入いたしました。0歳のお子様から多くの方に実施しております。